フィリピン大統領選挙、ベニグノ・アキノ上院議員が当選し史上初の母子大統領誕生/2010年5月11日
5月10日にフィリピンで行われた大統領選挙にて、ベニグノ・アキノ上院議員が当選。史上初の母子大統領誕生しました。
選挙が行われるたびに開票の不正が指摘されるフィリピンですが、同国で電子投票システムを初めて使った選挙となりました。
具体的には、選挙区内のすべての候補者名と党名が印刷されたマークシートに、有権者が印を付ける仕組み。電子読み取り装置で入力したデータは携帯電話回線などを通じて、各地の選挙管理委員会と中央選管のサーバーに送信。また、投票用紙は別途、選管に送られ、電子データと照合する仕組みとのことです。
5月10日には大統領選挙のほか、副大統領、国政、地方議会選挙など1万7000余りの選挙が同時に行われています。
大統領選の候補者名簿には「ダイヤのエース元帥、地球軍最高司令官、皇帝、最後の救世主」と謳ったリゴベルト・マデラ氏や、パーティー用のラッパを吹きながらTシャツを配りながら届出に来たダニエル・マグティラ候補など、「本気ですか?」というような面々が並ぶのは、いつもの大統領選挙の光景。
そんな中、下馬評では、20年以上続いたマルコス独裁政権を崩壊させたアキノ元大統領の息子ベニグノ・アキノ上院議員、マルコス元大統領の妻イメルダ夫人の支持を受けるビリヤール上院議員、エストラーダ前大統領らの争いが焦点となったようです。
フィリピンの中央選挙管理委員会は、5月11日の午前に、大統領選挙中間開票結果を発表。開票率約80%の段階で、ベニグノ・アキノ上院議員の得票率が40%、次いでエストラーダ前大統領、マニー・ヴィリヤール上院議員がそれぞれ 2位と3位を記録していると発表。ベニグノ・アキノ上院議員が、他の候補を大きく引き離しており、勝利を確実なものとしました。
さて、ニノイ・アキノ前上院議員とアキノ前大統領の間で生まれたベニグノ・アキノ上院議員は、2009年8月に大膓癌で亡くなったアキノの前大統領を追慕する中で、にわかに大きな脚光を浴び、急浮上した候補です。
選挙戦中は、汚職疑惑が絶えなかったアロヨ政権を強烈に批判し、大統領就任後はアロヨ氏や 周辺の汚職の調査に真っ先に手をつけることを宣言しています。
ベニグノ・アキノ上院議員の勝因は、故アキノ大統領の熱烈な支持者を中心に、選挙終盤には経済界や有力キリスト教団体などもアキノ支持に回ったことなどが指摘されています。
一方、副統領選挙は、自由党のマヌエル・マル・ロハス候補の代わりにエストラーダ前大統領と提携したビナイー候補が当選しました。
アロヨ政権が9年間も続いたフィリピン。その間、GDPは約2倍になったとはいえ、失業率は7%以上。汚職や不正の撲滅、貧困などフィリピンが抱える諸問題は山積みです。新政権下、変化を求める国民の期待にどれだけ、新大統領が答えることができるのか?
なお、次期大統領の就任式は6月30日です。
- フィリピン大統領府公式サイト/Office of the President
- フィリピン大統領府の公式サイト